20140512美味しんぼ表現で波紋広がる 福島

連載漫画「美味しんぼ」の12日に発売された内容の中で、登場人物が「福島県内には住むな」とか、「人が住めるようにすることはできない」などと語る場面があり、福島県は、「断固容認できない」とする見解を、公表しました。
小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」に連載中の人気漫画「美味しんぼ」で、先月28日の発売分で、主人公の新聞記者たちが福島第一原子力発電所を取材したあと、原因不明の鼻血を出す場面などが描かれました。
さらに12日に発売の続編では、双葉町の前町長や、大学の准教授が実名で登場し、鼻血などの理由について「被ばくしたから」と断定し、「福島県内には住むな」とか、「福島は広域に除染して人が住めるようにすることはできない」などと語っています。
この表現をめぐって批判や反論の動きが広がっています。
福島県は12日朝、ホームページで見解を公表し、「特定の個人の見解があたかも福島の現状そのものであるような印象を与えかねず、大変危惧している。福島県への不安感を増長させ、風評被害を助長するものとして、断固容認できず、極めて遺憾だ」と抗議しました。
さいたま市内で福島の復興支援を訴える講演を行った、福島県の佐藤知事は、講演の後で報道各社の取材に応じ、「全国の皆さんが復興を支援して下さって、福島県民も一丸となって復興を目指している時に、全体の印象として風評を助長するような内容できわめて残念だ」と述べ不快感を示しました。
そのうえで、今後の対応については、状況を見ながら検討すると答えました。
各政党の県内の関係者からも抗議が出ています。

自民党福島県連は12日午後、記者会見し、小学館に抗議文を送ったことを明らかにしました。
杉山純一幹事長は、「県民から深い落胆と多くの非難が上がっている。福島県の現況と大きく異なる内容の掲載があったことに対して、強く抗議する」と述べました。
また民主党、社民党、無所属の議員で作る県議会の会派、「民主・県民連合」も抗議文を送りました。
記者会見した亀岡義尚幹事長は、「福島にはもう住めない、安全には暮らせないなどの見解は県民への差別を助長させ、風評被害の拡大につながることから、県民の代表として厳重に抗議する」と述べました。
下村文部科学大臣は楢葉町で記者団に対し、「『美味しんぼ』は広く国民に知られている漫画だ。医学的・科学的な根拠を持って書かなければ、地元の福島の皆さんから見ると大変な風説の流布ということになる。作者には、よく勉強して書く必要があると理解してもらう必要があるのではないかと思う」と述べました。
こうした批判に対し、美味しんぼの原作者の雁屋哲さんは、自身のブログの中で、「書いた内容についての責任はすべて私にあります。
福島を2年かけて取材をして、しっかりとすくい取った真実をありのままに書くことがどうして批判されなければならないのか分からない。
真実には目をつぶり、都合のいいウソを書けというのだろうか」と主張しています。
小学館は12日、雑誌のホームページに新たな文書を公開し、鼻血と放射線との関連について、「否定的な意見を持つ方も多く存在します。その因果関係について断定するものではありません」とした上で、
今月19日の発売号に続編を掲載する予定で、その際に雑誌とホームページで専門家の見解や批判を含むさまざまな意見を集約した特集記事を掲載するとしています。
この漫画の表現をめぐっては、地元の双葉町が「福島県全体にとって許しがたい風評被害を生じさせている」などとして、今月7日に小学館に抗議文を送ったほか、12日、大阪府と大阪市も「事実と異なり、極めて不適切な表現だ」として抗議文を送るなど、波紋が広がっています。

05月12日 20時10分

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